流入元計測広告

流入元の正しい見方|検索・広告・メール・SNSを分けて計測する

2026年07月18日 ・ Stride

メルマガを配信した翌日、なぜか検索からの流入が跳ね上がっていた。広告を止めた月に、なぜか直接アクセスまで減っていた。

そんな不思議な動きを見たことはありませんか。

たいていの場合、市場が動いたわけではありません。流入元の分類がずれているだけです。

流入元というのは、訪問者がどこを経由してサイトに来たのかという情報です。解析ツールが自動で振り分けてくれるので、つい正確なものだと思い込みがちですよね。

でも実際は、けっこう間違えます。しかも間違え方には決まったパターンがあるので、知ってさえいれば防げます。

この記事では、流入元がどんな仕組みで判定されているのかというところから、実務でつまずきやすい3つの誤分類、そして自分で防ぐための手順までを順に見ていきます。

流入元はどうやって判定されているのか

意外に思われるかもしれませんが、流入元の判定に使える材料は2種類しかありません。リファラURLパラメータです。

リファラは、ブラウザが直前にいたページのURLをこっそり添えて送ってくれる情報のことです。Google検索の結果からクリックすれば、リファラとして https://www.google.com/ が届きます。

解析ツールはこのドメイン部分だけを見て仕分けています。google.com なら検索、x.com ならSNS、といった具合です。

仕組み自体はとても素朴です。だからこそ、素朴なつまずき方をします。

もう一方のURLパラメータは、リンクの末尾に自分で付けておく目印です。?utm_source=newsletter のように書いておけば、その値がそのまま計測側に届きます。

つまり流入元の精度は、リファラが届くかどうかと、目印を付けてあるかどうかで決まります。

リファラは、思っているより届かない

ここが最初の落とし穴です。リファラが空になる場面は、想像よりずっと多いのです。

スマートフォンの標準メールアプリから開いたリンク、LINEやSlackで共有されたURL、PDFやWord文書の中のリンク。これらはどれもリファラを残しません。

HTTPSのページからHTTPのページへ移動したときも、セキュリティ上の理由でリファラは削られます。

送信側のサイトがリファラの送出範囲を絞っていることもあります。近年のブラウザは既定でドメインまでしか渡さないため、どのページから来たのかという細かい情報は最初から届きません。

もうひとつ見落とされがちなのが、SNSアプリの中で開くアプリ内ブラウザです。投稿からリンクを開いても経由元が残らないことがあり、本当はSNS流入なのに直接アクセスとして記録されます。

そしてリファラが空のアクセスは、ほとんどのツールで直接アクセスという箱に入ります。ブックマークから来た常連さんと、メルマガを開いてくれた読者が、同じ箱に放り込まれるわけです。

直接アクセスが妙に多いサイトは、たいていここが原因です。

分けるべきカテゴリは6つ

細かく分類しようと思えばいくらでも細かくできますが、実務の判断に必要なのは6つです。まず全体像を表で押さえておきましょう。

カテゴリ 具体例 主な判定材料
検索 Google、Yahoo!、Bing の自然検索 リファラのドメイン
広告 リスティング、ディスプレイ、SNS広告 gclid などのパラメータ
メール メルマガ、お知らせメール utm_medium、Webメールのドメイン
SNS X、Instagram、Facebook、LINE リファラのドメイン
外部サイト 他社サイトやメディアからのリンク リファラのドメイン
直接 ブックマーク、URL直打ち、判定不能 リファラなし

このうち特に重要なのが、検索と広告、そしてメールとSNSをそれぞれ別の箱にすることです。

この4つはかかるコストも、打てる施策も、改善の速度もまったく違います。混ざったまま眺めていても、次に何をすればいいのかは見えてきません。

もうひとつ、表には載せていませんが実務で効くのが自社ドメインからの遷移を流入に数えないという点です。

自分のサイト内でページを移動しただけのアクセスが外部サイトとして計上されていると、外部流入の数字がまるごと水増しされます。設定で自ドメインを除外できるツールがほとんどなので、最初に確認しておくと安心です。

誤分類はだいたいこの3パターン

誤分類は無限に起こるわけではなく、原因はほぼ3つに集約されます。ひとつずつ、何が起きているのかと、どれくらい数字が狂うのかを見ていきます。

Gmailからのクリックが検索に混ざる

いちばん気づかれにくいのがこれです。

Gmailの受信トレイでメルマガのリンクをクリックすると、リファラは mail.google.com になります。

ここでツールが単純にドメインに google が含まれるかどうかで判定していると、このアクセスはGoogle検索経由として記録されてしまいます。実際はメール経由なのに、です。

Yahoo!メールでも、Outlook.com でも同じことが起きます。

仮に月間の検索流入が10,000セッションあり、そのうち1,200がGmail経由だったとしましょう。見かけ上の検索は10,000ですが、本当の検索は8,800です。

ずれは12パーセント。検索の評価だけを見ているなら、まだ許容できる範囲かもしれません。

もっと深刻なのはメール側です。本来1,200あったはずのメール流入が0と表示されるので、メルマガは効果がないという逆の結論が出てしまいます。

そこで配信を止める判断まで下してしまったら、失うものは12パーセントどころではありませんよね。

判定ロジックとしては、検索エンジンの判定より先にWebメールのドメイン判定を通すのが正解です。Strideの流入元分類はこの順序で処理しているので、Gmail経由は検索ではなくメールとして記録されます。

広告と自然検索が同じ箱に入る

Google広告をクリックした人のリファラも、多くの場合 google.com です。自然検索とリファラだけでは区別がつきません。

手がかりになるのは、広告クリック時に自動で付与されるパラメータです。

Google広告なら gclid、Microsoft広告なら msclkid、Yahoo!広告なら yclid が付きます。これらがあれば広告、なければ自然検索です。

判定そのものは単純で、ツール側で自動的に処理してくれることがほとんどです。

ではMeta広告のように専用パラメータが自動で付かない媒体はどうするか。ここは自分で utm_medium=cpc を付けて回避します。

有料の流入には必ず自分でも印を付ける、と決めてしまうのが結局いちばん確実です。

分けないとどうなるか。広告の費用対効果が計算できなくなります。

たとえば月20万円の広告費で、広告経由のCVが40件だったとします。1件あたり5,000円です。

ところが広告と自然検索が混ざった箱でCVが120件と表示されていると、1件あたり1,667円に見えてしまいます。実態のおよそ3分の1です。

この数字を信じて予算を倍にしても、当然ながら成果は付いてきません。広告の評価は必ず、広告だけを切り出した数字で行ってください。

広告そのものの投資判断をもう一段詰めたい方は、広告のROIを上げる|LPとファネルで「無駄打ち」を減らす で費用と成果の結び付け方を扱っています。

メールアプリやLINEからの流入が直接に沈む

iPhoneの標準メールアプリ、LINE、Slack、社内のチャットツール。これらからのクリックにはリファラが付きません。

何もしなければ、すべてまとめて直接アクセスです。

このリファラが取れない流入は、しばしばダークトラフィックと呼ばれます。サイトによっては全体の2割から3割を占めることもあります。

直接アクセスが全体の30パーセントを超えているなら、中身を疑ったほうがいいです。ブックマークとURL直打ちだけで、そこまでの比率にはなりません。

見分け方は簡単で、直接アクセスの人がどのページに最初に着地しているかを見ます。

トップページばかりなら本当に直打ちやブックマークでしょう。ところがキャンペーン用のLPや特定の記事にいきなり着地しているなら、それはメールやチャットから来た人です。

つまり直接アクセスは、正体不明の流入をまとめて入れた保留箱だと思っておくと実態に近いです。

UTMパラメータで、届かない流入に印を付ける

リファラが届かないなら、こちらからリンクに印を付けておけばいい。それがUTMパラメータの役割です。

やることは、リンクの末尾に決まった書式のパラメータを足すだけです。メール本文のリンクなら、こう書き換えます。

変更前: https://example.com/lp
変更後: https://example.com/lp?utm_source=newsletter&utm_medium=email&utm_campaign=2026-07-summer

utm_medium=email が付いていれば、リファラが空でもメール経由だと判定できます。SNS投稿なら utm_medium=social、広告なら utm_medium=cpc を使います。

パラメータは全部で5種類ありますが、最初から全てを使う必要はありません。どこから来たか、どんな手段で来たか、どの施策で来たか。

この3つさえ揃っていれば、日々の集計はほぼ足ります。残りは必要になってから足せば十分です。

HTMLのリンクとして書く場合はこうなります。

<a href="https://example.com/lp?utm_source=newsletter&utm_medium=email&utm_campaign=2026-07-summer">
  詳しくはこちら
</a>

配信ツールによっては自動で付与してくれる機能があります。手作業で付ける場合、いちばん多いミスは付け忘れです。

とくにメール本文にリンクが複数あるとき、ヘッダーのロゴだけ素のURLのまま、というのはよくあります。配信前に全リンクを確認する習慣をつけてください。

表記ゆれを一度だけルール化しておく

もうひとつ、地味ですが効くのが表記の統一です。

emaile-mailEmail は、多くのツールで別の値として集計されます。同じ施策なのに3つに割れてしまうわけですね。

小文字で統一し、単語の区切りはハイフンにする。この2つを決めておくだけで、後から集計し直す手間がほぼ消えます。

ルールはチームの誰でも見られる場所に1枚だけ置いてください。人が増えたときに揺れるのは、たいていルールが個人の頭の中にあるからです。

命名ルールの具体例は UTMパラメータの正しい付け方|流入元を正確に測る に、メール施策そのものの評価軸は メールマーケの効果測定|「開封率」の先を見る にまとめています。

分類できたあと、どこを見るか

流入元がきれいに分かれたら、次はセッション数を眺めるのをやめて、成果と結びつけて見ます。

流入元ごとに、セッション数・CV数・CVRの3つを並べるだけで、判断はかなりはっきりします。

流入元 セッション CV CVR
検索 8,800 132 1.5%
広告 3,000 40 1.3%
メール 1,200 48 4.0%
SNS 2,400 12 0.5%

セッション数だけを見れば、検索が圧倒的です。ところがCVRで見ると、メールが他を大きく引き離しています。

ここで打つべき手は、数の少ないSNSをがんばって伸ばすことではありません。メールの配信頻度を上げるか、リストを増やすほうが、はるかに効率よくCVが積み上がります。

流入元を分けるというのは、こういう判断ができる状態を作る作業です。

もう一歩踏み込むなら、流入元ごとに最初の着地ページも並べてみてください。同じ検索流入でも、記事に着地した人とサービス紹介ページに着地した人では、CVRがまるで違うことがほとんどです。

もうひとつ見ておきたいのが、前の期間との比較です。今月のCVRが低いのか高いのかは、単月の数字だけでは分かりませんよね。

先月と並べたときに、あるカテゴリだけCVRが落ちていたら、そこで何かが変わっています。広告のクリエイティブを差し替えた、検索順位が下がって関心の薄い層が増えた、といった具合です。

流入元ごとの推移を追っていると、サイト全体の数字が動く前に変化に気づけます。

母数が少ないカテゴリは、焦って判断しない

ただしCVRは、母数が小さいと簡単に跳ねます。

セッションが100件しかないカテゴリでは、CVが1件増えるだけでCVRが1パーセント動きます。数百セッションを超えるまでは、参考値として扱うくらいがちょうどいいです。

また、流入元ごとに人数の重複もあります。広告で知ってから、後日検索で戻ってくる人は珍しくありません。

だからこそ、数字が気になったカテゴリは一人ひとりの行動を追って確かめます。N1分析やセッションリプレイのように、個人単位で経路を見られる機能があると、この確認が一気に速くなります。

明日からの進め方

最後に、実際に手を動かす順番を整理します。遠回りに見えますが、この順でやるのが結局いちばん速いです。

  1. 直接アクセスの比率を確認する。30パーセントを超えていたら、そこにメールやアプリ経由が埋もれている可能性が高い
  2. メールとSNS投稿のリンクにUTMパラメータを付ける。ここだけで直接アクセスの中身がかなり分解される
  3. 広告経由が自然検索と分かれているかを確認する。分かれていなければ、広告の評価はいったん止める
  4. 1週間ほどデータを溜めてから、流入元 × CVR の表を作って投資先を決める

ここまで済ませて、ようやくどのチャネルに力を入れるべきかという議論に意味が出てきます。

なお流入元の分類精度は、使っているツールの実装にそのまま左右されます。Strideは検索・広告・メール・SNS・外部サイト・直接を自動で分類し、Webメールを検索に混ぜない判定順序を採用しています。

計測タグはCookieを使わず、氏名やメールアドレスといった個人情報も集めません。同意バナーを出さずに運用できるので、導入時のハードルもかなり低いはずです。

流入元の分類は、分析そのものではなく、その手前の下ごしらえです。ここが雑なままだと、その先の考察はすべて砂の上に建ってしまいます。

覚えておくのは3つだけで十分です。検索と広告を分けること、Gmailを検索に混ぜないこと、そしてリファラが届かない流入にはUTMで印を付けること。

まずは今月の直接アクセス比率を確認するところから、始めてみてください。

参考記事

Strideで、あなたのサイトの導線を可視化しませんか?

Cookieレスで、離脱ポイントとコンバージョンが数分でわかります。

無料で始める